一般財団法人 家電製品協会

50周年に寄せて

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経済産業省 商務情報政策局

局長 野原 諭

一般財団法人家電製品協会が創立50周年を迎えられたこと、心よりお祝い申し上げます。

家電製品協会は、オイルショックを受けて、社会的要請として、省資源、省エネルギーが強く求められる中、家電業界が廃家電品の再資源化事業に取り組むために、1974年に財団法人家電製品等再資源化促進協会が設立されたことが、その始まりです。それ以来、経済社会の発展に伴い、家電製品においてもめざましい技術革新が起こり、新たな家電製品の普及も急速に進みましたが、同時に、我が国も含め地球環境問題に対する世界的な関心が高まる中、廃家電品の排出についても深刻な課題として認識されるようになり、その対策が求められるようになりました。

こうした背景のもとで、同協会は、1977年に市原市に家電リサイクルセンターを建設し、再資源化技術の開発や再資源化システム経済性の研究などを行い、廃家電品の再資源化事業に積極的に取り組まれ、現在のリサイクル事業の基盤を確立されました。また、1980年には、省資源に加え、省エネルギー、機器の安全性といった新たな消費者ニーズに応えるべく、「家電製品協議会」との統合を経て「財団法人家電製品協会」となり、リサイクル事業以外にも事業範囲を広げることになりました。

以来、1984年には「家庭用電子機器修理技術者認定試験実施団体」として認定を受諾し、1995年には製造物責任法(PL法)の成立を受けて、家電製品の事故に関する紛争解決のための家電製品PLセンターを設立。2001年に施行された家電リサイクル法の下では、同法に基づく指定法人となり、家電リサイクルの効率性、実効性の向上に取り組むなど、我が国が目指す循環型社会の確立に極めて重要な役割を果たしてこられました。

貴協会が創設されてから50年の時を経て、我が国を取り巻く環境は大きく変化し、世界は今、時代の転換点を迎えています。例えば、サステイナビリティに関する世界的な関心の高まりを受け、欧州を中心にサーキュラーエコノミーという概念が広まり、我が国においても、経済産業省は「成長志向型の資源自律経済戦略」を策定・公表し、サーキュラーエコノミーへの移行に向けた取組を進めているところです。また、世界的に、2050年のカーボンニュートラルの実現が極めて重要な課題となっており、我が国においてもGXのための取組を、政策を総動員し、強力に推し進めているところです。さらに、生成AIに代表されるようなデジタル技術の加速度的な進化に伴い、日々、新たな製品・サービスが登場し、これらに対する安全性の議論が同時に喚起され続けています。

このように、消費者の意識の変化に伴ってサーキュラーエコノミーに注目が集まる中、長年にわたり、廃家電品の再資源化や、家電製品に関する省資源・省エネルギー、安全性の取組を推進されてきた貴協会が担う役割は、今日、大変重要性を増しており、貴協会には、是非とも、こうした課題の解決に向けて、その一翼を担い、引き続き、我が国経済の発展と国民生活の向上に多大な貢献をされることを心より期待します。

最後になりましたが、創立50周年となる新しい節目の年を迎え、貴協会が今まで蓄積された貴重な経験と見識をさらに発揮され、これからも一層のご発展を遂げられることを祈念して私の挨拶といたします。

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